[小説]三体

物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。


数十年後。ナノテク素材の研究者・汪淼(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体〈科学フロンティア〉への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象〈ゴースト・カウントダウン〉が襲う。そして汪淼が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?

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話題のSF大作。

一気に読むには濃密すぎて、シリーズ全巻読破するのに3か月くらいかかり、そこからしばらく時間が経ってもまだ衝撃が残っています。

SFってどこまでも舞台(空間・時間軸)を広げることができるジャンルだと思います。しかしこの作品は「物凄く壮大なようで、実は宇宙から見たら小さなこと」を、うまい具合に読者が着いてくるペースでどんどん広げておりました。

なので、一見訳が分からなくなりそうなことも、それまでの積み上げでちゃんと理解させてくれるようなシナリオになってました。理論が完全に理解できなくても、どのような事象が発生してるか、誰と誰がどのような関係なのかは分かりやすくかつドラマチックに描かれており、読者が置いてけぼりになるようなことはない作品だと思います。

またゆっくりと読みなおしたい、壮大なスケールの傑作でした。


アニメ化のコンセプト動画が作られてました。ネタバレ多いので、これから読みたいと思う方は再生しないほうが良いかと。