幻夜

幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))
1,000円
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幻の夜を行く男と女。息もつかせぬ傑作長編!
阪神淡路大震災の直後に、出会った男と女。男が犯した殺人を知る女は、彼を徹底的に利用し、野心を実現していく。だが彼女にも恐るべき秘密が。

傑作白夜行アゲイン!という感じの長編ミステリー。舞台は1995年の阪神・淡路大震災から地下鉄サリン事件等の2000年1月1日までなので、当時を思い出しながら読み進めると、より一層楽しめるかと。
今回も白夜行のように一組の男女を中心に物語が進んでいきますが、白夜行とは違い、雅也という男性主人公の視点で描かれる場面が多く、彼の感情や葛藤が事細かに描写されることで、女性主人公である美冬のミステリアスさが際立つ、という手法がとられています。
また後書きでこの作品が「百夜行」の続編、ということを匂わすようなことが書かれていますが、個人的には設定上の繋がりはなく、あくまで白夜行の要素を読者サービス程度にちりばめたくらい、という印象でした。
どちらにせよ、「白夜行」読んだ後のほうが楽しめるかと。
あと「探偵ガリレオ」から東野圭吾を読み始めた、みたいな人は軽い気持ちでこの作品読むと、思わぬグロ描写/性描写に戸惑うかもしれませんので、ご注意を。