ウェブはバカと暇人のもの

ウェブはバカと暇人のもの
798円
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著者はニュースサイトの編集者をやっている関係で、ネット漬けの日々を送っているが、とにかくネットが気持ち悪い。そこで他人を「死ね」「ゴミ」「クズ」と罵倒しまくる人も気持ち悪いし、「通報しますた」と揚げ足取りばかりする人も気持ち悪いし、アイドルの他愛もないブログが「絶賛キャーキャーコメント」で埋まるのも気持ち悪いし、ミクシィの「今日のランチはカルボナーラ」みたいなどうでもいい書き込みも気持ち悪い。うんざりだ。―本書では、「頭の良い人」ではなく、「普通の人」「バカ」がインターネットをどう利用しているのか?リアルな現実を、現場の視点から描写する。

ユーザ目線、非ユーザ目線、メディア目線など複数の立場からみた「ネット」の接し方、またその便利さ、リスクを分析した上で、まだまだネットというものが未成熟なコミュニケーションツールであることを指摘している。
タイトルは過激で、一見釣りかと思いましたが、様々な事例・体験談を交えて解説することにより、読了後にはなんとなく納得。確かに2chやニコニコ動画など、テレビ・ラジオで言われる「ネットユーザー」の大多数ってこの本で述べられている「バカと暇人」によって構成されているパブリックイメージがあるのかと。
ネットは便利だけど依存しすぎないで、いろんな情報媒体を使わないと偏った視点しか身につかなくなりそう。その結果、「バカと暇人」が「ネット」によってその性質の悪さを増幅されているのでは。
どうやったら実現されるのか分からないWebに対する理想論・幻想論よりも、こういった地に足がついた意見の方が、ネット依存症の人の目を覚ますことができる良いクスリかと。
様々な理想論・幻想論をバッサバッサと切り捨てていく論調は読んでいて痛快でした。