悪の経典
2013-04-30
晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。学校という性善説に基づくシステムに、サイコパスが紛れこんだとき―。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作。
映画化もされた話題作。
サスペンスとしてもホラーとしてもなかなか楽しめました。
以下一部ネタバレ含む感想。
前半は貴志祐介のお家芸ともいえる、じわじわと迫りくる恐怖と狂気を感じさせ、ぞくぞくしながら楽しめました。
天才的な頭脳を持ちながらも人間として壊れている教師を見事に描写してくれてます。
後半は「13日の金曜日」的なスプラッタホラーが犯人(蓮実)目線、生徒目線で語られる「バトルロワイヤル」的な感じで展開します。
映画の
「クラス全員、皆殺し。」
「まるで出席を取るみたいに、先生はみんなを殺し続けたんだ。」
というキャッチコピーのイメージもこの後半部分を象徴してるのかと。
読みやすく一気に読めてしまい、違う種類の恐怖が前半と後半でそれぞれ楽しめるので、サスペンス・ホラー好きは一読の価値のある一冊かと。
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個人的には脱獄&密航して渡米したハスミンがフレディやジェイソンと共闘して全米を殺戮の恐怖のどん底へ、みたいな続編を楽しみにしています。
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