MM9
2013-06-12
地震、台風などと同じく自然災害の一種として”怪獣災害”が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では気象庁内に設置された怪獣対策のスペシャリスト集団”特異生物対策部”略して”気特対”が、昼夜を問わず駆けまわっている。多種多様な怪獣たちの出現予測に、正体の特定、自衛隊と連携しての作戦行動…。相次ぐ難局に立ち向かう気特対の活躍を描く本格SF+怪獣小説。
ウルトラマン・ゴジラ・ガメラなどを観て育った世代にはたまらない物語。
怪獣を「災害」と捉え、その存在理由を神話を絡めて見事に説得力のある世界を構築しています。
「災害」であることからその管轄は気象庁となり、台風の名称と同じく怪獣の名称も気象庁の”特異生物対策部(以下”気特対”)”が決定する、という設定はやや滑稽ながらも、そのやりとりが極めて現実的であるものとして描写されています。
怪獣(災害)の規模を表す単位である「MM(モンスター・マグニチュード)」によって対応を決める。基準から外れた対応をすると、マスコミに叩かれたり、関連省庁からお叱りを受けたり、下手すると国際問題に発展する、なんてのも日本の政府の1省庁の対応っぽくて良いですね。
怪獣や”気特対”の本部の様子が目に浮かんでくる文章のおかげでまるで映画やドラマのワンシーンを観ているかのような気分に。
“気特対”の面々の様子は「踊る大捜査線」とか「パトレイバー」などを連想します。愛すべき人々、という感じ。
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ドラマ化もしていたとのこと。
映像になるとどんな感じか気になります。
続編も好評発売中。
Kindle版でも入手可能です。