第九地区
2012-03-21
南アフリカを舞台に、難民として住みだした異星人と地域住民との軋轢、そして異星人に対しての新たな対応が招いた思いもかけぬ事件を、驚異のヴィジュアルとドキュメンタリータッチで描いたSFアクション!
先日の「アバター」と同じく、B級SFアクション映画としてはかなりの傑作。
部隊を南アフリカのヨハネスブルグとし、差別問題、難民問題、民間軍事会社の存在などをモチーフとし、それをエイリアンに絡めて描く、という設定は異色ながらなかなか興味深かったです。
個人的にSFは社会問題まで設定に含めないと、世界観に奥行きが出てこないと考えているのですが、その点この作品はとてもよかったです。
しかし出てくる人が酷い人間ばかり(笑)。
差別思想の極み!とでもいうような扱いを受けるエイリアンたち・・・その外見のおかげであまりショッキングな映像にはなっていませんが、これが人間的な外見だったら相当なクレームが入っていたかと。
一方SF要素も充実。
宇宙人の外見や宇宙船のデザイン、そしてその宇宙船の操作インターフェースや、パワードスーツでの戦闘シーンはSFファンとしては楽しめました。
設定や描写がところどころ不可解なところもあったので、もう少し長い尺で、前後編の2作に分けても良さそうな内容かな、とも思いました。
続編も作っているという話ですが、ストーリー的にも設定的にもまだまだ膨らませられる要素は沢山あるので、こちらも楽しみです。