B→C バッハからコンテンポラリーへ 岡田将
職場のイベントで、東京オペラシティコンサートホールで開催された、「B→C(ビートゥーシー) バッハからコンテンポラリーへ」の岡田将のピアノ演奏を聴きに行ってきました。
実は自分はこう見えても3歳から中学校就学直前までの約9年間ピアノを習っており、そのせいもあって、かなり楽しみでした。
会場は250名ほどが収容可能なコンサートホール。自由席だったのですが、早目にいったおかげで、左前方の前から3列目くらいを確保できました。ステージ中央にはSTEINWAY & SONSのグランドピアノ。
そして開演予定から10分ほど遅れてスタート。
一曲目の「フランス風序曲 ロ短調 BXV831(バッハ)」は8曲からなる組曲。左前方なので手元がばっちり見えます。そして手の動きに驚嘆。ピアノって鍵盤を押せば音が出る、という単純な楽器なだけに、スキルの違いが如実に表れると思うのですが、ここまで全然違うと見とれることしかできません。
そして演奏の素晴らしさもさることながら、ピアノの音が素晴らしい!これがSTEINWAYの音かー。電子楽器では聴く事のできないであろう、生々しく迫力のある音色。音響もしっかり考えられた部屋なので、一音一音が粒になっていながらも広がって聴こえます。
二曲目「ラ・ダンス」はエキセントリックなフレーズが随所に出てきて、作曲者がピアノという楽器に無限の可能性を感じていたであろうということを思わされます。しかしこの人、すずしい顔で活き活きと演奏するなー、と感心。
続く「ピアノ組曲」は和風のリズムを取り入れた4曲からなる組曲。こちらも普段イメージしている「クラシック」からはちょっと違うユニークな曲で、楽しめました。
休憩挟んでからはリストの「ハンガリー狂詩曲第13番 イ短調」、そしてドビュッシーの「喜びの島」。演奏も言葉が出ないくらい素晴らしいものでした。曲の最後でピート・タウンゼントみたいに手を上げてキメるのが最高にかっこよかったです。バッハとかよりも、こういう曲の方がこの人にあってるような気がしました。
最後の「ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 Op.83」のあとはアンコールで、「ラカンパネラ」。これももの凄く良かったです。
メイン楽器をギターにしてからというもの、クラシックをめっきり聴かなくなったため知らない曲ばかりでしたが、どの曲も演奏も言葉で説明できないくらい素晴らしく、心動かされました。
しかしピアノって楽器は改めて凄い!と思いました。音域の幅が広いだけでなく、強弱とスピードによる表現方法の組み合わせが無限にあるような気がしました。
特に低音鍵をガーンと叩くように弾く力強さ、高音を囁く様に弾く繊細さ。エフェクターとか使わない生楽器だからこそ、演奏者の力量が如実に現れ、それがダイレクトに伝わってくるのが当たり前なのですが、新鮮でぐっときました。
正月に実家帰ったら、久々にピアノ弾いてみようと思います。
演奏曲目
- フランス風序曲 ロ短調 BXV831 / J.S.バッハ
- ラ・ダンス(1948) / 芥川也寸志
- ピアノ組曲(1933) / 伊福部昭
- ハンガリー狂詩曲第13番 イ短調 / リスト
- 喜びの島 / ドビュッシー
- ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 Op.83 / プロコフィエフ
アンコール
- ラカンパネラ / リスト