神様からひと言

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荻原 浩
光文社 2005-03-10

by G-Tools

大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉凉平。入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。クレーム処理に奔走する凉平。実は、プライベートでも半年前に女に逃げられていた。ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているやいなや…。サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説。

前の会社に新入社員として入社したときに「オアシス運動」というのがありました。
「おはようございます」
「ありがとうございます」
「失礼します」
「すみません」
ちょっと記憶が怪しいけど、確かこんな感じだったかと。
業務知識も社会人としての基礎もない新卒社員にまず最初に叩き込む基礎の基礎としてはシンプルで良いものだと思ってました。
しかしこれが中々出来ない人もいます。頭では分かっているつもりでも、気持ちが入ってないとわかるもの。特に「すみません」というのは他の3つと違い、「自分のミスを認める」という場面で使うことが多い言葉であるため、奥が深いと思います。
冷静でありながら心をこめた「すみません」を言えるようになると仕事の幅やビジネスの上での人間関係がぐっと広がると思います。
この本の主人公「涼平」も最初は仕事の上での「すみません」を言えなかった一人。しかし理不尽な社内方針や一般消費者からのキツいクレームを受けて苦労しながら成長していく様は、会社という組織で働く人間なら思わず応援してしまいたくなるシチュエーション。
そんな主人公を取り巻く面々もこれでもかという曲者揃いで、彼ら一人ひとりのエピソードもしっかりと描かれているので、物語全体に広がりと説得力が出ていました。
一人の人間の成長をライトな文体でありながらも、深く描き出している傑作。毎日謝ってばかりでイヤになってる人とかは読むと良いかも。
ちなみにドラマとかなってそうだなー、と思ったら既にドラマ化されていた模様。
ドラマW 神様からひと言|WOWOW ONLINE
主人公のイメージは少し違いますね。しかし主人公以外のキャストは原作のイメージに近い感じのナイスキャスト。

1件のコメント

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