嫌われ松子の一生
2009-04-17
お姫様みたいに煌びやかで華やかな人生に憧れた一人の少女。しかし現実は、教師からソープ嬢、遂には殺人までも犯してしまった松子の壮絶な人生を描いた山田宗樹原作の同名小説を中島哲也監督が映像化した作品。
原作を読んでから観たのですが、面白かった!いや、このストーリーに対して面白かったという感想は不適切かもしれませんが、鬱ストーリーだった原作をここまでのエンターテインメントムービーにしてしまう監督の手腕に脱帽しました。
映像の作り方はどことなくフランス映画の「アメリ」を思わせるような感じで、全編に場面に合わせたフィルタがかかっているような感じ。それも特にわざとらしくなく、効果的に働いています。
特に主演の中谷美紀が最高。
中谷美紀自身が「この役を演じるために女優を続けてきたかもしれない」と言っているほど、本人がほれ込んでいる役どころであり、中島監督も「松子に会いたいために作った」と語っている。
嫌われ松子の一生 (映画) – Wikipedia
というのも納得できるくらい、「松子」を見事に演じています。
原作で書かれていた脇役と松子の関係や、脇役それぞれの細かな設定などは映画では省かれていますが、それ以上に本筋の勢いと完成度が高いので原作ファンでも楽しめるかと。
悲惨な物語が苦手、という方でも楽しめる一本。