グイン・サーガ
豹頭の仮面―グイン・サーガ(1) 栗本 薫 早川書房 1983-01by G-Tools |
豹の頭を持つ異形の戦士「グイン」を主人公に、彼と彼の周りの様々な人物の人生を描いた大河fナンタジー小説。1979年に第1巻、2007年12月までに2007年12月現在、正伝が118巻、外伝が21巻(上下巻1編を含むため22冊)が発売されています。
最初は興味本位で読み始めたのですが、やや古風な文体が使われつつも軽めの文体はとっつきやすく、1冊があっという間に読み終わります。
そして2冊目、3冊目・・・と読んでいるうちに夢中になってしまいました。
いわゆる「地球外」、つまり自分たちの住んでいるこの世界以外を舞台としたファンタジー小説は、設定が薄っぺらいと物語にも厚みがなくなるし、かといって細かい設定の説明に終始すると読み進めるのが退屈になってしまうのかと。しかしこのグイン・サーガにおいては、主人公グインをはじめとする登場人物たちが生活する「中原」の文化、風俗、宗教などかなり細かいところまで設定されているようですが、ストーリーと説明のバランスがよく、またあえて説明しないことで「この世界ではこの事柄はこういうものだ」と読者に納得させるという手法も使って読者にその世界観を伝えています。
肝心のストーリーも、良くある冒険活劇ではなく、登場人物それぞれの出会い・愛憎・別れ・悩み・裏切り・生死等々、それぞれの人生がドラマチックに展開していきます。「ロード・オブ・ザ・リング」のような冒険小説ではなく、三国志のような歴史小説を読んでいるような気分になります。
途中約20巻に渡って主人公のグインが出てこない(その間のグインの冒険は外伝10巻~16巻にて語られる)ということもありますが、グイン以外のキャラクターも魅力的で、主人公不在の間も物語が失速することはありませんでした。
開始当初は「100巻で完結」という予定だったらしいのですが、まだまだ終わりが見えません。
というか100巻までは怒涛の展開、という感じで貪り読んでいたのですが、正直100巻過ぎた辺りから若干失速気味という感が否めなくなってきました。それまでも分かりやすくやや冗長気味だった文章が、異常に冗長になってきたような気が。
とはいいつつも、今後の展開が気になるのが悔しいところ。
ネタバレになるのであまり多くは書けませんが、グインとその仲間たちのこれからがどうなるのか、しばらく追いかけて行きたいと思います。
【関連リンク】
- グイン・サーガ – Wikipedia
- 神楽坂倶楽部(作者公式)
- 天狼星通信オンライン(事務所公式)
【本編】
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【外伝】
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【ハンドブック等】