デジタルネイティブが世界を変える
本書はネット世代が与えうる、企業、社会、学校、家庭、政治などへの影響とインパクトを、詳細なデータに基づいて分析している。なぜ、オバマが大統領選で勝利をおさめられたのか?なぜ、今までのやり方では物が売れなくなったのか?彼らは何を考えているのか?何を欲しがっているのか?彼らが望む働き方はどんなものか?教育の現場では何が起きているのか?家族との関係性はどのように変わってきているのか?また彼らへの有効なアプローチの方法は何か?―この世代をどう扱うかが重要な課題となっている。日本を含む12カ国、1万人のインタビューを敢行し、デジタルネイティブのリアルがいま解き明かされる。
自分が物心ついたときにはすでにラジオや電話はもちろん、テレビは当たり前のものになっていました。
その後ビデオ、CD、DVDといったものがどんどん普及してゆき、学生時代にはインターネットが身近になり、最近ではFacebookやTwitterといったSNSも当たり前のインフラとなりつつあります。
もちろんまだまだ全家庭にあるわけではありませんが、大多数の子供たちにとってインターネットは「当たり前のもの」になっています。
うちの息子もiPadでYouTubeを観たり、アプリを使ったりするくらいなら一人で操作できる状態になっています。
育った状況や常識が違うのであれば、そこから出てくる発想も全く異なってくるはず。
いわゆる我々が子供のころSF映画や漫画で観ていた「未来」的な生き方、働き方、教育方法こそ彼らにとって必要なのでは、ということをこの本を読んで思いました。
いつの時代も年長者は若者のことを「理解できない」と言い、新しい文化に「ついていけない」と言っています。
デジタルツールやガジェットの普及で、その「理解できない」「ついていけない」という溝はどんどん深まるかもしれませんが、だからといって若者の考え方や文化を潰してしまうのは、最終的には自分の生きている社会や文化の成長を止めてしまうことになるのかと。
今自分はITという仕事に携わり、普通の人よりほんの少しだけITに関わる部分が大きいので、IT関連のトレンドについてはある程度理解していると思ってます。
そんな自分でも、これから育ってくる下の世代のことを「理解できない」「ついていけない」と思う日が来るかもしれません。
そんな日が来ても、若者たちの新しい文化や生き方を否定しないで、彼らのやり方が社会や文化の成長にプラスに働く手助けが出来ればいいな、とこの本を読んで思いました。