ザ・ファシリテーター

ザ・ファシリテーター
森 時彦
ダイヤモンド社

「えっ、私がですか」「君ならやれるよ。いや、開発センターを大きく変えるには君しかいないと思っている。マーケティングを変えたようにね。二年で変えてくれ。その後は、またマーケティングに戻ってもらうから…」マーケティング部門のリーダーだった黒沢涼子が、畑違いの製品開発センター長に抜擢される。はたして専門知識面でも、年齢でも自分を上回る男性の部下を率い、組織を変えることができるのか…。ストーリーを楽しみながら、人と組織を動かし、自分が変わるファシリテーションのスキルとマインドが確実に身につく。

研修などでロジカルシンキングや分析手法、会議のテクニックなどを習ってもなかなか実践するのは難しいものです。
いろんな事を勉強したはずなのに、会議やプロジェクトなんかで上手いこと議論やみんなの意識を前向きに持って行けず、凹んだことがある人は多いのではないかと思います。
「もう少し上手くやれていれば…でもどうやって?」
そんな疑問を、モデルケースともいえる事例を小説仕立てで読ませてくれます。ストーリーや登場人物の性格も分かりやすくて読みやすいです。
表紙があの有名な「ザ・ゴール」に似ていますが、別物です。しかしビジネスの改革、それを支えるための意識改革とおう内容についてはそれに迫るものがあります。
年上の部下をマネージメントするというのは中々厄介なものだと思います。
そういうものに悩んでいる人にもヒントになる要素が入っているかと。
ファシリテーションのテクニックをある程度学んだ人が、実践のためのケーススタディとして読むには良い一冊です。