タッチ

B000CQM5LOタッチ スタンダード・エディション
あだち充 山室有紀子 犬童一心
東宝 2006-03-24

by G-Tools

あだち充の、あまりに有名なコミックを実写化。実際に双子で、野球経験もある斉藤兄弟が、達也と和也を、2人の幼なじみの南役を長澤まさみが演じる。明星学園の野球部は、1年生エース、和也の活躍で、地方大会を勝ち進む。しかし、あと1勝で甲子園という決勝の朝、和也は交通事故で亡くなり、彼の意志を継ごうとする達也が野球部に入部。
(Amazonより)

原作もアニメも素晴らし過ぎたため、あまり期待しないで見たのですが、予想外にぐっときてしまいました。


前半部分は正直原作を脳内補完しながら見ざるを得ない、という感じの出来でした。各々のキャラクター紹介が雑で、明らかに原作読者を前提とした作り。場面毎の描写は結構原作に忠実なのですが、その繋ぎがなんか唐突な感じ。一緒に見てた妻に言わせると「ドラマのダイジェスト版見てる気分」とのこと。同感です。
しかし南のお母さんがなくなった後、幼い南が「南を甲子園に連れてって!」というシーンでは、この後この3人に降りかかる運命を思うと、なんか涙腺が緩みました。本当に息子が産まれてから、子供関連の映画やドラマに弱くなりました(笑)。
ちなみにキャスト的には長澤まさみも斉藤兄弟も、それほど違和感なかったです。むしろ原作とそれ程似通らず、最近の高校生っぽい感じで描いていたのが妙な違和感を生まずに良かったのかと。
あと孝太郎は全然デブキャラじゃなかったのですが、味があって良かったです。アニメ版の口調をなんとなく真似ていた原田も好感が持てました。
そして衝撃の和也の事故シーン。しかしなんか唐突で、もうすこしタメがあった方が良かったのでは。明らかに監督が和也が亡くなるということを観客が知っている、という前提で映画を作っているような感じでした。
そして達也が野球部に入り、挫折し、南との間に亀裂が入り、原田に殴り飛ばされ、また野球部に戻り、と一連の出来事の後の甲子園出場をかけた須美工との決勝戦。試合を観に行けず部屋にいる南が、試合を観にいく決心をし、和也の形見のボールを手に家を飛び出すシーンで岩崎良美(映画版ではユンナ)のあの名曲が!
デデデデ デデデデッ ズダダ ダダダダ「呼吸を止めて一秒 あなた真剣な目をしたから~」
キター!涙腺全開(笑)!アニメ観てた人間にこの曲の持つ影響力は計り知れないかと。
それまでちょっと冷静に観てたのですが、この曲が流れた瞬間に一気に入り込みました。むしろここまではいまいちだったのは、この曲が流れるこのタイミングのためじゃなかったのか、と思われるくらいのインパクト。
そして場面は決勝戦へ。ここでは純粋に試合の描写に絞っているため、今までのようなダイジェスト的なブツ切り感がなく、演出も良かったです。ここでまた涙。
なんかこの映画、前半は「あー、そうそう、こんなことあったよねー」とか言いながら観て、後半の試合場面に集中して涙する、っていうのが良い楽しみ方なのでは。後半のクオリティが前半にもあれば、原作知らない人でも楽しめる良作になったと思います。
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