レスラー
2014-07-27
栄華を極めた全盛期を過ぎ去り、家族も、金も、名声をも失った元人気プロレスラー”ザ・ラム”ことランディ。今はどさ周りの興業とスーパーのアルバイトでしのぐ生活だ。ある日心臓発作を起こして医師から引退を勧告された彼は、今の自分には行く場所もなければ頼る人もいないことに気付く。新しい仕事に就き、疎遠だった娘との関係を修復し、なじみのストリッパーに心の拠り所を求めるランディ。しかしその全てにつまづいた時、彼は悟る、例え命を危険にさらすことになっても、自分はプロレスラー”ザ・ラム”としてしか生きることが出来ない男なのだと―。
「プロレス」という舞台の光と影を、同じく複数の世界で光と影を味わったミッキー・ロークが演じることで、この上ない説得力と切なさを伝えてくれます。
プロセス好きでなくとも、ショービジネスの世界でスポットライトを浴びる他に生きる術を見つけられない、不器用である”ランディ”の気持ちは、一回スポットライトを浴びた経験のある人間なら共感せざるを得ないかと。
バンドマンにも通じるものがあるなー、と思いながら、ラストまで目が離せませんでした。
ランディの切なさがぐっと胸に迫る、忘れられない一本。