とんび
2014-09-10
昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。愛妻の美佐子さんとのあいだに待望の長男アキラが誕生し、家族三人の幸せを噛みしめる日々。しかしその団らんは、突然の悲劇によって奪われてしまう──。アキラへの愛あまって、時に暴走し時に途方に暮れるヤスさん。我が子の幸せだけをひたむきに願い続けた不器用な父親の姿を通して、いつの世も変わることのない不滅の情を描く。魂ふるえる、父と息子の物語。
小説はSFやホラー、サスペンスものを読むことが多いのですが、たまにはこういうハートウォーミングなのも、と思い読み始めたらあっという間に引き込まれ、そしてハートウォーミング過ぎて涙がこらえられないことに。
電車の中など、公共の場で読む作品ではありませんでした。
登場人物みんな良い人!
良い人達なんだけど、あちこちで悲しい擦れ違いや思い違い、そして意地の張り合いが起こり、事件が起こります。
人間の暖かさ、優しさ、そして親子の愛情。
そういったものがひしひしと伝わってくる良い作品。
男性としては父親としてヤスさんに感情移入したり、息子としてアキラに感情移入したり、どちらの気持ちも痛いほどよく分かる場面が多く、もう二人のことが段々他人事ではなくなっていきます(笑)。
全ての父親たち、そして息子たちにお勧めしたい一冊です。
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ドラマ化もされていたみたいで、そちらも中々良い出来だったと聞いたので、是非DVDチェックしてみたいと思います。