凶気の桜

B0000896KM凶気の桜
ヒキタクニオ 薗田賢次 窪塚洋介
東映 2003-04-21

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■凶気の桜 公式サイト

反米思想を持つ山口、市川、小菅はナショナリスト結社“ネオ・トージョー”を結成し、半端な不良たちを狩る。しかし、やがて彼らはヤクザの陰謀に巻き込まれ、利用されていくことに。
(Amazonより)

TOKYO TRIBE的なストリート不良モノかと思ったら、途中からヤクザ映画に。しかしストーリー展開が上手く、最後まで一気に楽しめました。
以下、一部ネタバレありです。


ナショナリストとか白い衣装とかネオ・トージョーとか、右翼思想の匂いの濃い要素満載の映画かと思いきや、強いナショナリスト思想を持っているのは窪塚洋介演じる山口と原田芳雄演じる組長のみ。先に書いたように、結局はナショナリズム云々ではなく、ヤクザの内部抗争に若い衆が巻き込まれていく様を描いている、というのが大筋。
見方によっては鎖国的な愛国心を持った若者が現代の日本でどうなるのか、みたいなことも示唆しているのかもしれませんが、自分は純粋なバイオレンス映画として楽しみました。見てる途中で泣き出した子供をあやしたりオムツ替えたりしてたのでいまいち入り込んで見てなかった、というのはあるかもしれませんが(笑)。
何より良かったのが窪塚洋介。映画の企画段階から参加したということで作品に対する思い入れはより一層強かったのだろうと思いますが、映画の中で人を惹きつける演技と存在感がありました。ベランダから飛び降りたりピースなバイブスがどうとかいう発言でネット上ではネタにされがちな人ですが、役者としての実力を見せられました。ちょっと一般人とズレた信念を持っているというキャラも窪塚洋介にマッチしていたのかと。窪塚出演映画は他にはGOピンポン★くらいしか見たことなかったのですが、この作品が一番活き活きしてたような。
で、窪塚洋介が出演している、という以外の予備知識無しに観始めてびっくりしたのが格闘家の須藤元気の出演。喧嘩シーンでは活き活きと技を繰り出していましたが、演技も上手く、知らない人が見たら普通に役者だと思うのでは。こちらも力自慢で頭のほうは少し、っていうキャラにぴったりだったかと。
そして個人的にかっこいい!と思ったのがクールな「消し屋(殺し屋)」を演じていた江口洋介。映画の最初から最後まであくまでドライに仕事をこなす様は観ていて気持ちよかったです。
また、タイトルにもなっている桜を効果的に使った演出は見事でした。
ヒキタクニオ作品は未読だったのですが、Amazonのレビューを見てたら原作や他の作品も面白そうなので読んでみようと思います。
凶気の桜(文庫)
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メイキング・オブ 凶気の桜
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